発達障害にお悩みの方々にとって「リアルの人間関係」は切実な問題です。

インターネット上の交流だけでは、やはり寂しさや物悲しさを感じてしまうもの。実世界(リアル)でも自分にとって心地よい間柄を作ることができれば、生きづらさは改善できるはずです。

とは言っても、そのような関係を作るのには、苦労されてしまう方も多いのではないでしょうか。発達障害でない方と付き合うのは嫌かもしれませんし、場合によっては発達障害であることについて色々と言われることがあるでしょう。

そこで、この記事では、発達障害者の方々が自分にとって居心地の良い人間関係を作るのに役立つヒントを何点かあげることにします。皆様の生活にお役立てくだされば幸いです。

1. 挨拶だけはきちんとする

一番大事なのはこのポイントではないかと思います。

できることなら、誰に対してもきちんと挨拶できるようになるのが理想的です。しかし、「気が合わない人にも言わなければいけないのか」というようなこともあることでしょう。

ですから、まずは入口を通った後に「おはようございます」「こんにちは」などと一声かけるだけでも良いのではないでしょうか。逆に、帰るときには「お先に失礼します」と一声言うようにすれば良いのです。

もちろん、挨拶をされたときには、必ず挨拶を返すようにしてくださいね。それだけでも相手との関係は少し良くなりますし、何より自分の気分も晴れやかになります。

だんだん慣れてきたら、今度はスタッフや運営者の方々に直接挨拶をするというのも良いでしょう。頼るべき存在との関係が良好になりますし、ひいては居心地も良くなっていきます。

2. 何ということはない雑談を繰り返そう

発達障害者が抱える困りごとの中には「どうしても雑談の輪に入りにくい」というものがあります。目的のないまま展開されるお喋りにストレスを感じる方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、このような雑談にも、実はきちんとした目的があります。それは何かと言いますと、「お喋りのためのお喋りを繰り返すことにより、両者の関係を良くするため」というものです。言い換えれば、雑談は行うことができれば何でも良いのですね(もちろん公序良俗は考えないといけませんが)。

ですから、今日の天気の話や印象に残ったニュース、昨日のプロ野球やJリーグの結果など、当たり障りがなくて皆が分かっていそうなことはどんどん喋ってください(もしくは食いついていってください)。

何もディープな話をする必要はありませんし、気に入らない人となら歩調を合わせることもありません。作業中であれば聞き流しても良いでしょう。ただし、全く喋らないというのも考えものです。

そこで、関係作りに自信のない方は特に、スタッフ等の方々と少し雑談してみるところから始めるようにしましょう。「自分はここに入ってきてこう思った」「昨日見たTV番組が面白かった」という程度のもので構いません。

雑談は中身ではなく回数が大事です。少しずつ話を積み重ねていって、自信を取り戻せると良いですね。

3. 発達障害であることを告げる必要はない

発達障害者以外も在籍しているコミュニティであれば特に大事なことですが、「自身が発達障害であることをむやみに告げない」のは大事なことです。

無理やり隠してしまえ、と言いたいわけではありません。ただ、最初から発達障害であることを告白したところで、相手は当惑してしまうかもしれません(福祉事業所のスタッフの方々には当然告げないといけませんが)。

例えば、精神科のデイケアは発達障害者だけが利用しているのではありません。「うつ」や「統合失調症」といった精神障害のみの方も決して少なくないです。こういった利用者に「発達障害」であることを告げたところで、その方に得るものがあるというわけではありません。むしろ、差別や言い争いの火種になってしまうかもしれないのです。

ですから、自分からはなるべく発達障害であることを公にしないこと、公にするにしても時と場所を考えることが大事です。気の合う仲間になら打ち明けても良いでしょうが、いきなり言ってしまうことだけは避けましょう。

4. 他人に期待しすぎない

コミュニケーション上の問題を抱えている方々にとって、「ようやく分かり合える人が見つかった」とき、どうしてもその人に対して大きな期待を抱いてしまうものです。しかし、このような過度な期待をそのままにしておくと、せっかく築き上げた関係が台無しになってしまう恐れがあります。

良好な関係が出来上がっているからと言っても、その人が自分のことを全て分かってくれるとは限りません。むしろ、分かり合えていない部分もあるのではないでしょうか。それに、常にその人が自分に対して助け舟を出してくれるとも限りません。無い袖は振れないのです。

そのため、いくらでもお喋りできる間柄の人であっても、期待を持つのはほどほどにしておくのが良いです。過剰に期待してしまっていたとき、期待を裏切られたときのショックは半端ないもので、もう信用したくないという感情すら湧き上がってきます。それではどうしようもありません。

期待を持ちすぎず、「常識の範囲内」でお喋りができるだけでも、ずいぶん立派なことです。強すぎる期待は相手の大きな負担にもなりますので、自覚しているのならば絶対にやめるようにしましょう。

5. 関わる人を増やしすぎない(ASD向け)

ASD(自閉症スペクトラム障害)の方は特に、関わる人を多くしすぎないというのは大事なテクニックです。関わる人が多くなればなるほど、それだけで大きなストレスになるからです。

真に打ち解けあっている人以外には挨拶をするな、と言いたいのではありません。むしろ、挨拶やその返事くらいはした方が良いです(後で陰口の種にされてしまうかもしれません)。しかし、既に頼りになる関係が複数出来上がっている場合、「挨拶をし合う」以上の関係にはしない、というのも大切です。

ASDの方々は、とにかく「狭く深く」に入り込んでしまいがちなものです。逆に「広く浅く」の関係を築くのは難しいです。その困難さを無理に克服しようとするのでは、精神状況の悪化につながりますので、よくありません。

ですから、ここは自分の特性を受け入れて、「狭く深く」の関係を活かす方向に持ってゆく方が身のためでしょう。自分のコントロールできる範囲に抑えるのがコツです。

関わる人が増えると、人間関係のコントロールもやりにくくなります。普通の人ならそれでも何とかなるのですが、ASDの方々は大変に苦労することになりますので、関わる人を適度に調整するというのは有用な策です。特に、相談する相手は選ぶ方が良いですね(発達障害者でなくても言える話ではありますが)。

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